平成28年度金沢市議会6月議会 一般質問

 私は、日本共産党市議員団の一員として以下3つの分野で質問を行います。

》第二庁舎建設について《
》家庭ごみ有料化を導入せず、ごみの減量化実現について《
》特別養護老人ホームの増設計画について《

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 最初の質問は、第二庁舎建設についてです。

 第二庁舎建設基本設計と実施設計の概要が、去る6月1日に開かれた市議会特別委員会で示されました。

 本庁舎の後ろに位置する南分室と周辺の駐車場用地を一体的に活用し、第二庁舎を建設するとしたものです。
計画では、建物には議会棟、危機管理センター、行政委員会、外郭団体等を配置するとして、 地上3階、地下2階で事業費は65億円としました。

 これに対して、第二庁舎というものの、議会棟が共有スペースを除く建物の半分を占めることから、 議会棟が主たる建物であること、本庁舎が耐震工事を終えたばかりであり、 新しい議会棟の建設が必要なのか。
しかも、65億円もの事業費投入は市民の理解を得られるのか。
議論がされると共に、市民からも意見が寄せられました。

 その結果、建物は地下2階の計画を地下1階と変更し、整備面積1万平方mを8500平方mに圧縮。
事業費を64億円としました。
そして、今回、基本設計と実施設計の概要が示されました。

 市長から、改めてこの第二庁舎建設の目的と今後のスケジュールを明らかにしていただきたいと思います。

 今回の建設基本設計と実施設計の概要では、 整備面積は、当初1万平方mだったものが8751平方mとなり、 議会棟は、2500平方mから2813平方mへと増大しました。
事業費は65億円から64億円となりましたが、 これも南分庁舎の解体費、実施設計費とは別に約2億円が必要としました。
そして、地下通路建設です。事業費は8億4千万円です。

 要するに、議会棟の建設と地下通路建設が事業費そのものを膨れあげているのではありませんか。
果たして必要なものなのか、市民にどのように説明されるのか伺うものです。

 地下通路の建設について伺います。

 本庁舎と第二庁舎建設予定地とを直線で結ぶ地下通路を建設しようとすると、 その間にある用水と西外惣構堀の遺跡があるため、 地下10m深くに地下通路を設置しなければならず、 費用が膨大となり断念せざるを得ませんでした。

 そこで今回、本庁舎と21世紀美術館との間にある道路の下に建設する計画を示しました。
ところが、この道路の下には、NTT、北陸電力、 企業局関連の埋設物があり、移設しなければ工事ができません。
その移設費用が約4億円に上ります。

 これだけではありません。
21世紀美術館の地下2階に通じる地下の車道が走っています。
今回の建設基本設計と実施設計の概要の中でも、 「地下通路の安全性及び構造に関する検討」と記載しています。
どのような検討が必要なのか明らかにしていただきたいと思います。

 本庁舎のある場所の標高に比べ、第二庁舎の予定地は2m低くなっています。
その間には用水があり、21世紀美術館の地下2階に通じる地下の車道が走っています。
したがって、地下通路を建設しようとすると、解決できない問題が起こります。

 第1に、地下通路は直線にはできません。
先の特別委員会では、市道部分では80m、全長110mとのことです。

 第2に、地下通路はフラットではありません。傾斜がついた通路となります。

 第3に、ボックス型の地下通路となり、 高さ2.3m、幅2.4mと狭いものでしか建設できません。

 以上の点からして、安全性及び構造からして地下通路の建設は難しいのではありませんか。見解を伺います。

 誰のための地下通路なのか。8億4千万円を投じて建設する必要があるのか。
納得できる説明ではありません。地下通路の建設は断念すべきです。

 そもそも、巨額の費用を投じて本庁舎と第二庁舎建設予定の建物とを結ぶ必要性があるのか。
市民の理解は得られていません。

 第二庁舎建設にあたって、議会棟の建設中止を行い、建設計画の全面的な見直しを強く、求めるものです。
次に移ります。


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 質問の第二に、家庭ごみ有料化を導入せず、ごみの減量化の実現を目指すことについてです。

 まず本市のごみ減量化の現状と課題について、市長から明らかにしていただきたいと思います。

 第1に、ごみの総排出量は減少傾向にあり、 その内、家庭系ごみは減少しているが、事業系ごみが増加していること。

 第2に、資源化率が低下しており、その原因として容器包装プラスチックの回収量と、 紙類の集団回収が低下していることがあげられること。

 ところで、第4期ごみ処理基本計画。
平成22年から27年度までの5か年計画では、 ごみの減量化についてどのような到達となり、 その教訓はどんな点があげられるのか明らかにしていただきたいと思います。

 第4期ごみ処理基本計画の検証については、次のように記載しています。
「ごみの減量化は、ほぼ計画通りに進んだ」としています。
その基本方針の第1に、市、市民、事業者の三者協働によるごみの排出抑制を掲げています。
その内容の主なものはどのようなものですか。

 第5期ごみ処理基本計画は、平成28年から32年度までの5か年計画です。
第4期計画の教訓を生かし、ごみ減量化への取り組み方針は、どのようなものですか。
そして、それを進めるキーワードはどのようなものなのか、明らかにしていただきたいと思います。

 「ごみの減量化は、ほぼ計画通りに進んだ」とする、 第4期ごみ処理基本計画の検証から導き出されるキーワードは、 市民、事業者との協働によるごみの減量化、資源化、再利用だと考えます。

 そこで、第4期ごみ処理基本計画を受け、第5期計画では具体的に、 第1に紙類の集団回収、第2にスーパー等での回収、第3に事業所における分別・資源化、 以上のごみ減量化、資源化、再利用の取り組みについて、明らかにしていただきたいと思います。

 本市校下婦人会連絡協議会の会長さんは
「有料化の前に、私たちがすることは、ごみの減量化です」と述べています。

 市内の環境問題に取り組む団体の代表は、
「ごみを減らすために、市民、行政、事業者それぞれができることをもう一回整理し、 お互いのいろいろな意見を取り入れながら『総合計画』として組み立ててほしい」と述べています。

 町会からのご意見の中に、本市のごみを減らしていくのにどうにもならなくなり、 有料化せざるを得ない事態となっているのか。 一般論としてごみの有料化があったとしても、 ごみステーションの管理をはじめ、住民が一生懸命努力していることからすると、 いきなり、有料化導入を言われても、「はい。わかりました」とは言えないというご意見がありました。

 市長、家庭ごみ有料化を導入せず、ごみの減量化の実現をめざすべきと考えますが、その見解を伺います。

 本市の環境審議会のメンバーでもある金沢大学の教授は、
「家庭ごみの有料化は、政策実験だと思ってやってみたらいい。 試してみないことには効果があるのか分からない」と述べています。

 市長、市民に負担を求め、効果があるかどうか。
やってみないと分からないような家庭ごみ有料化の導入は、やめるべきです。

 したがって、家庭ごみ有料化をせずに、ごみの減量化を進めていくことが、 市民、事業者との信頼を築き、ごみ減量化への理解が広まることを述べておきたいと思います。

 なお、市長は、家庭ごみ有料化が全国の流れのように述べていますが、中核市での導入は2割にすぎません。
有料化を検討したが、実施しないという都市が青森、高知、高崎など7つあります。
ここから学ぶべきであることを述べ、次の質問に移ります。


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 質問の第三に、特別養護老人ホームの増設計画についてです。

 今月の4日、大阪市で81歳の妻が85歳の夫の首を絞め殺すという痛ましい事件が発生しました。
その81歳の妻は、「夫に病気があり、介護疲れから殺そうとした。早く楽になりたかった」と話し、 夫婦は二人暮らしで、夫は認知症だったとみられると報道されました。

 全国では、特別養護老人ホームへの入所を待っている待機者は、52万人に上っています。大変深刻です。
本市における特別養護老人ホームへの入所を待っている待機者について、明らかにしていただきたいと思います。

 こうした実態が解決されない中、安倍内閣は2014年の国会で「医療・介護総合法」を成立させ、 要支援1と2の訪問介護と通所介護を保険から外し、 特別養護老人ホームへの入所要件を基本的に介護1と2の方を外し、介護3以上としました。

 安倍内閣の対応ぶりに全国から怒りの声が上がりました。

 有料老人ホームが増え、月の費用が15万円前後です。
この費用を払える方は行く場所がありますが、払えなくなれば住む場所を失います。
年金だけで生活せざるを得ない方や、所得の低い方々はいわゆる「介護難民」となります。

 本市の場合、特別養護老人ホームへの待機者の内、介護3以上の方は800人を超えます。
一体、いつになったら、こうした待機者がなくなるのですか。

 市長。現状の認識と今後の本市の特別養護老人ホーム増設計画について伺いたいと思います。

 平成27年度から29年度までの第6期介護事業計画では、 3年間で特別養護老人ホームを29床規模のものを8地域に9か所、合わせて261床建設する計画です。

 待機者の状況からして、とても解決する計画ではありません。
そのうえ、この計画すら困難な事態に直面しています。

 27年度4か所の応募したにも関わらず、2か所では応募はゼロでした。
なぜ、そのような事態となったのか。今後の対応と方針について伺います。

 2015年4月からの介護報酬の引き下げと介護職員の確保が難しく、 施設の設置と運営が困難となっています。
しかも、29床の規模ではとても経営が成り立たないのです。

 一方、待機者の方々も事態が深刻です。
特別養護老人ホームへの入所要件を介護度3以上としました。
介護1と2の方については、特例入居としました。

 本市の場合、申請の件数と特例認定した件数について明らかにしていただきたいと思います。

 また、待機者の実態について、ある施設の調査では、待機者の内半分以上が在宅者です。
そして、待機者の名簿から削除された方のうち、 入所できた方が46%で、入所できないまま亡くなった方が40%にのぼっています。

 川崎市では、平成20年度から25年度までに1200床の特別養護老人ホーム増設計画を進めるとして、 第1に、公有地の活用。
第2に、多床室と個室との組み合わせによる整備。
第3に、建設費の補助体系を見直す、との方針を打ち出し、 23年度には目標を1568床に引き上げ取り組んできました。
その結果、26年3月末までに、18か所1556床の整備を終えたとのことです。

 市長。本市としても、新たな事態の中で、特別養護老人ホーム増設計画について、 具体的対策が必要です。その見解を伺います。

 特別養護老人ホームへの入所を待っている方の現状は、深刻です。
そして、金沢市の特別養護老人ホーム建設計画は、その解決すらできるものではありません。
その上、その増設計画すら困難な事態に直面しています。
川崎市のように独自の対策が求められています。
本市の抜本的な対策方針を検討するよう強く求め、質問を終わります。


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